横須賀研究室

私たちの研究室の長期的な研究目標は、来るべき将来に備えた設計のフレームワークを構築することです。近代以降、社会構造は大きく変化し、コンピュータの登場により建築の設計手法も著しく変化しましたが、建築物を支配する物理法則は、古代から何ら変化はありません。現代において先人が残した偉大な功績を先進的に活かせる分野のひとつが建築構造力学です。
これからの持続可能な社会を実現するために、最適化や機械学習などのコンピュータを活用した課題解決手法が期待されています。建築物の設計において、意匠や環境、構造などの複合領域を統合し、最小の資源やコストで建築物の健全性や安全性を担保する必要があります。これを実現するために、数値解析やシミュレーションを援用するエビデンスに基づいた設計手法が欠かせません。私たちの研究室では、建築構造力学に重点をおき、新しい理論や技術を横断的に取り入れることで、新たな価値を創造し、広く社会に提案していきます。

Name：
横須賀 洋平
Job title：
准教授
Field of study：
建築構造力学、建築構造解析
Profile：
一般逆行列理論に基づく構造形態解析，
一般逆行列理論に基づく流体解析への応用に関する研究，
可変構造に用いる多軸自在継手に関する研究，
張力構造に関する研究，構造形態の創生と最適化

松鵜研究室

　建物内の環境は、エアコン等の建築設備機器の導入や高気密・高断熱化などが進み、快適になっています。また、室内でペットや観葉植物を育てる方も以前より増えてきました。建物内が人間にとって快適ということは、他の生き物にとっても快適な環境でもあります。快適な環境になったことで、人間にとって有害な生き物にとっても生存しやすい環境となり、それらが増殖することで人間の健康に影響を及ぼすことも増えています。
私たちの研究室では、建物内（特に建築設備）が発生源や汚染源となる微生物汚染対策をどうするか、省エネルギーで快適な居住環境と健康や衛生の両立などについて研究をしています。

Name：
松鵜 さとみ
Job title：
助教
Field of study：
建築環境工学/建築設備/衛生工学
Profile：
アースピットにおける空気質（微生物）汚染，貯水槽の水質汚染と感染症

二宮研究室

日本で消費されるエネルギーの約1/4は建物内での利用によるものです。またその半分は住宅で消費されています。私たちは暑くなったら冷房し、汗をかいたらシャワーを浴びるような生活を当たり前のように享受していますが、これらは大量のエネルギーを消費することで成り立っています。私たちの研究室では、少ないエネルギーで快適な居住環境を創造するにはどうしたらよいか、気象の地域性、建物の熱性能、自然エネルギーの利用などについて研究しています。

Name：
二宮 秀與
Job title：
教授
Field of study：
建築環境工学／熱環境・省エネ・気象
Profile：
建物の熱性能に関する研究建築と気象の関係性について建物の省エネルギーに関する研究
鷹野研究室

“環境”を切り口に、より良い建物のデザインや造り方を考える研究室です。
我々はさまざまな環境の中で生活をしています。近年、その環境を考える上で“サステイナビリティ（持続可能性）”という言葉をよく耳にしますが、裏を返せば“サバイバビリティ（生存可能性）”と同義です。これからは、人と環境との適切な関係を生み出す“レジリエント（強靭）”な建築が求められます。
そのような考えのもと、本研究室では建物に関する環境的課題について、材料や資源の視点を含め横断的に取り組みます。「半士半農」を理想に掲げ、頭と手で考えながら研究と実践をバランス良く行うことを心がけています。また、次世代を担う子供達に建築を教える活動（こどものけんちくがっこう）も行っています

Name：
鷹野 敦
Job title：
准教授
Field of study：
環境デザイン／木質構法／初等建築教育
Profile：
森林資源の連関に関する研究， マスティンバーの特性を活かした木質部材/構法の開発，
LCAを用いた建物の環境負荷の低減に関する研究，環境要素による建築形態の最適化プログラムの開発，
伝統的な建築手法の環境調節機能に関する研究，
児童向け建築教育プログラムの実践と研究
曽我研究室

近年、温暖化が顕在化し、熱波や豪雨など極端化する気候変動の影響は様々な地域に及んでいます。本研究室は、将来予測される気候変動の脅威による被害を回避し、かつ気候変動の原因となる温室効果ガス排出の少ない建築物を実現する方法を研究しています。気候変動に適応可能な建築物の計画には、過去から現在、そして将来に至るまで、建物や都市を取り巻く環境を客観的に表現した気候変動に関する観測・予測情報が必要です。私たちの研究室では、このような科学的な情報を利用して、建築、設備システムの気候変動への適応策や緩和策を具体化することを目指しています。

Name：
曽我 和弘
Job title：
教授
Field of study：
建築環境工学
Profile：
建築環境評価のための気象データの開発、気候変動シナリオに基づく将来気象データの開発、気候変動が建築環境に及ぼすインパクトの予測と評価、建築・設備の気候変動適応策、任意天候の分光日射量予測モデルの開発
柴田研究室

美しい街並みや建築、ワクワクする空間はどの様に生まれるのでしょうか。私達の研究室では、建築・インテリア・家具などの分野において「デザインを通して豊かで新しい空間を創出する」ことを目標として、デザイン論理の研究と実践的なデザイン活動の二本柱で研究に取り組んでいます。デザイン論理の研究では、既存の都市や建築の調査・分析を行い、その空間構成を把握すると共に形態との関係性を考察し、デザイン論理の基盤となるデータを蒐集しています。また設計コンペへの参加や実施設計を通して、論理だけではなく、その実践も行っています。

Name：
柴田 晃宏
Job title：
准教授
Field of study：
造形論/空間認識論/色彩意匠論
Profile：
近現代建築作品の立面構成の形態的研究、戦後日本の住宅建築のデザインに関する研究、デジタルデザインにおける形態の生成及び把握に関する研究
塩屋研究室

研究室は、次世代の鉄筋コンクリート構造の耐震構造と次世代の木質構造の開発を行っています。6年前から木質構造の研究に着手しています。
我が国では木造と言えば、木造住宅が殆どを占めてきました。関東大震災と戦時中の空襲による戦災を理由に、木造で大型の建築が建設されてきませんでし た。しかし、戦後、大量に植林された杉や檜が伐採期に入り、二酸化炭素削減の追い風もあり、木材を使って、木質構造により大規模の建築を建設する黎明期が到来してきています。木質材料の弱点である硬不足と強度不足と補うために、リサイクルの安価な鉄筋をスギ集成材に繊維のように挿入・接着して、硬さを6〜8倍に、強さを3倍に増加させる鉄筋集成材構法と設計方法を開発して、第1号の建物を建設しています。現在は、鉄筋集成材構法と、新たな直交スギ集成板（CLT）を組み合わせた耐震壁の開発も開始し、来年の第2号棟の建設を目指して設計を開始しています。

Name：
塩屋 晋一
Job title：
教授
Field of study：
建築構造/木造･鉄筋コンクリート
Profile：
次世代の木質構造に関する研究，制震性能を部材内部に内蔵する次世代鉄筋コンクリート構造の研究
小山研究室

地域（かいわい）を単位とした空間と社会の持続、そのための方法論を探求しています。私たちの生活空間は社会のあり方と深くかかわっています。そのため、研究室では社会の変化や変動を映し出す生活空間のありようをどう理解するか、その上で空間に働きかける計画や政策はどうあるべきかについて考えることを重視しています。
近年は行政や住民主体の取り組みに研究室として参加・協働する機会も増えてきました。従来の都市計画や住宅政策を起点にしつつ、横断的な発想や実験的な方法を積極的に取り入れて研究・教育活動を展開していきます。

Name：
小山 雄資
Job title：
准教授
Field of study：
都市・地域計画／ハウジング研究
Profile：
住宅ストックの再生・再編のための計画論，市街地におけるアフォーダブル住宅の実態解明，戦後日本の住宅政策とストック形成史，地方都市郊外の土地利用規制，多世代混住・用途複合・職住混在の都市と建築
木方研究室

建築や都市は一握りの専門家や一時代の技術によって造られるものではなく、多くの人々の知恵と努力の積み重ねによって成り立っています。その集積を活かし、不備を補いながら、より良い環境を築く事が私達には求められています。私達の研究室ではまず、建築や都市に関する図面や資料に基づき、先人達の計画の狙いを明らかにする研究や、調査に基づいて住み手の創意工夫や利用の実態を把握する研究を行っています。そこから建築や都市に何が求められているかを考え、計画・デザインへと結びつけていきます。

Name：
木方 十根
Job title：
教授
Field of study：
建築史・都市計画史/都市デザイン
Profile：
近代都市計画史の研究，歴史的都市環境の保全に関する研究，都市デザイン・景観計画に関する研究
Park
朴・増留研究室

「デザイン」された物理的形態を、部分と全体のスケール・レベルに分け、各レベルに置ける要素形態の相関やレベル間の相関を分析することにより、その物理的形態の特徴や「デザイン」の手法を明らかにする。

朴 光賢
Name：
朴 光賢
Job title：
助教
Field of study：
建築設計・建築意匠・都市デザイン
Profile：
ハイテク建築の源泉に関する研究、ソウルオリンピックを契機としたソウルの都市改造に関する研究、漢江沿岸開発に関する研究

様々な問題を抱えた現代社会において、建築の役割や意義は多様化しており、従来のアプローチでは立ち行かなくなってきています。これからの建築を構築するためには、新たな視点を持った設計手法や建築思想を模索する必要があり、歴史的観点と形態的観点から建築を読み解く研究を行っています。

Name：
増留 麻紀子
Job title：
助教
Field of study：
建築設計・建築意匠・都市デザイン
Profile：
設計プロセスに関する研究，
女性の視点と考察力から導かれる設計手法の可能性に関する研究，
機能美と形態美について比較研究，
建築家の設計手法に関する研究
黒川研究室

絵に描いた餅が食べられないように、絵に描いた家に住むことはできません。設計を現実のものとするのが、建築材料と生産工学の役割です。特に、自在に形を変えることができる鉄筋とコンクリートや自然材料である木材は、主要な建築構造材料であるばかりでなく、生産工場や建築現場においても綿密な管理が必要な材料です。また、これらの材料は維持管理により建物全体の寿命を左右する存在です。私たちの研究室では、固まる前のコンクリートの流動性の評価方法や鉄筋コンクリート構造物を壊さずに検査する方法について研究しています。

Name：
黒川 善幸
Job title：
准教授
Field of study：
建築材料・生産工学／維持管理
Profile：
フレッシュコンクリートのレオロジーコンクリートの非破壊試験法
鰺坂研究室

建築は社会の大切な資本の一つです。建築により街がつくられ、人々の記憶となり、地域の大切な文化となっています。研究室では、できるだけ建築設計実務に基づいたデザインの研究と教育を実践し、社会に貢献できる学生を育ててゆきたいと考えます。また、新築の施設計画だけでなく、モダニズム建築や麓集落の民家の再生をはじめとするストックの活用についても研究し、地域再生について取り組みます。フィールド調査や建築探訪により、楽しく建築を学びます。

Name：
鯵坂 徹
Job title：
教授
Field of study：
建築設計/再生デザイン
Profile：
歴史的建築の再生デザインに関する研究，モダンムーブメントの建築および建築家に関する研究麓集落に関する研究，オフィス／教育施設等の建築計画の研究