卒業生に
聞いてみた

  • 北海道民の
    鹿児島大学での
    学生生活

    安田 岳史 北海道出身 2019年3月卒業

    私は北海道の札幌出身なのですが、地元から遠い鹿児島大学に進学したのは、鹿児島大学のカリキュラムに魅力を感じたからです。そのカリキュラムの魅力とは学部1年の前期から「製図・設計」の授業が設けられており、他大学と比べて早い段階から実践的な建築の設計が行えることでした。製図や設計の授業では与えられたテーマに対して自分で考えた建築の製図や模型作りを進めるため、とても自由度が高いです。また、製図室では周りの人とコミュニケーションを取りながら楽しく作業を進めることができます。

  • わっぜよかぁ大学!

    佐藤 由奈 神奈川県出身 2019年3月卒業

    私は幼い頃から、方言のある地域で暮らしてみたいと思っていました。ふるさとを出て自分の知らない地域で暮らすことへの憧れをもって、以前から興味のあった建築学科を目指して勉強し、縁があって鹿児島大学に入学することになりました。大学近辺は県外から来た多くの学生が暮らしており、徒歩や自転車で通学しています。さらに、市電やバスなど交通の便も良く、アルバイト先への移動時間も短く済み、自分の時間を有効に活用することができます。サークルでは、自閉症などの障がいをもつ方々とふれあう活動を行い、毎月の活動やキャンプのプログラムの企画・運営を通して、他校や地域の方々と関わり、多くの貴重な経験をすることができました。授業面では、様々な事との両立が上手くいかず大変な時期もありましたが、設計課題やテストを一緒に頑張れる友人がいるお陰で、楽しく大学生活を送ることができています。

  • 鹿児島大学で過ごした
    6年間で得たこと、
    思うこと。

    倉原 拡大 鹿児島県出身 2018年3月修了

    私は福岡の建築設計事務所で働く設計職1年目です。私が大学・大学院で過ごした6年間は、自分の人生にとって、大きく意味のある時間でした。そんな私が過ごした日々について、私の経験を踏まえお話ししたいと思います。
    【鹿大工学部で得たもの】
    私が鹿大工学部で得た、①人とのつながり、②本質を見極める、の2点について説明します。
    ①人とのつながり
    工学部は他の学部と比べ、人とのつながりが強いです。それは、難しい課題を教え合いながら乗り越えたり、グループ作業や研究など、人と協力しながら行う作業が多いからだと思います。そうして得た繋がりは、大学卒業後も続いていくし、大事にしています。卒業した現在も、定期的に学生時代の友人に会い現状報告や相談などをしています。
    ②本質を見極める
    大学を卒業する為には、卒業論文を書かなければなりません。卒業論文を書くために一人一人違うテーマを持ち研究を行います。研究は通常の課題と違い、与えられる問題も決まった答えもありません。研究の背景・目的・方法を思索し、立てた仮説を道しるべに、フィールドワーク・データ収集・実験などを繰り返し、論文を完成へと近づけていきます。就く職種によっては、研究の内容と関連しない事も多くあります。しかし、研究を通して培われた「論理的思考」と「本質を見極める力」は、これからの人生に大きく役立ちます。世の中は単純ではありません。あらゆる事柄が複雑に絡んで問題が生じます。そうした時でも問題の本質を見極め思考し、惑わず進める力を培えたと思います。
    【卒業して思うこと】
    最後になりますが、少しだけ私の話をしたいと思います。
    私が大学1年の時、ある先輩から「これから2年、3年と学年が上がるにつれて、講義・課題も難しくなるから大変だよ」と言われました。確かに、工学部は他の学部と比べ、進級時に留年する人は一定数います。そうしたことも含め、大変なのかと受け取りました。実際、学年が上がるにつれて、忙しく大変になります。ですが、私は大学1年から大学院2年の卒業に至るまで、常に毎年が、右肩上がりに一番楽しく充実していました。
    それが私の自慢であり、鹿児島大学工学部・理工学研究科の先生方や、共に過ごした同期や先輩や後輩、そして過ごしやすく学びやすい環境づくりのおかげだと思います。 声を大にして言います。ぜひ、鹿児島大学工学部へ。明るく楽しく充実した日々をつくってみませんか。

  • 鹿児島の交通事情と
    大学生活を振り返って

    相木 雅史 愛知県出身 2019年3月卒業

    私は、センター試験の結果から鹿児島大学を受験しました。鹿児島の印象ですが、新幹線も通っており、新大阪以西の主要駅では乗り換えなしで鹿児島中央まで行くことができ、就航する航空会社も多く、主要空港の他、静岡空港や松山空港など遠方からでもアクセスすることが可能で、市内中心部は、市電が走っており移動には便利だと思います。しかし、活火山の1つである桜島があり火山灰が降ることがあるので服装などには注意が必要だと思います。
    大学生活では、私は学業を第一に考えており、1年の途中で自身の目標を達成できないと感じたことからサークル途中で抜け、普段の生活では学業とアルバイトを両立させています。夏休みや春休みは、3年生が終わるまでに北海道から沖縄まで日本全国を訪れるなど長期休暇だからこそできることに時間とお金を費やしており、大学外での学びを意識しています。現在は研究室に配属され、卒業論文を中心に卒業設計やプロジェクト等に取り組んでいます。
    4年間を過ごして感じたことは、建築学科は課題の量が多く、高校生の頃に想像していた生活と異なる人が多いと思います。価値ある大学生活を送るためにもなんとなく学科を選ぶのではなく、将来本当にやりたいことや大学に入る目的を考えた上で進路選択されると良いと思います。

  • 将来にわたる
    経験とつながり

    大槻 一晶 兵庫県出身 2018年3月修了

    物心がつく頃には建設現場の前で足を止めるようになっており、そのころから建築業界に行きたいと思うようになったので、建築学科に入りました。その後、大学生時代に、街のランドマークを造りたいという夢ができたため、総合建設会社(ゼネコン)に就職しました。入社して半年は生産設計業務(施工図作成業務)を行い、その後、二か月ほど現場支援業務を行ったのち、現在は、現場で施工管理業務(現場監督)を行っています。
    学生時代は、勉強だけでなく、建築展の実行委員・謝恩会の幹事・短期留学・サークル活動など様々な経験をしましたが、研究室での生活が私に一番大きな成長を与えたと感じています。
    私は、木質構造の研究を行っていました。最近になって少しずつ注目されているかもしれませんが、木質構造は、これから発展していく分野だと思います。そのような研究ができたのも豊富に木材が採れる鹿児島だからでもありますが、これから発展していく分野の研究は、様々な多くの課題があります。そのため、研究をしていく中で、問題点を認識し、改善策を考え、失敗を減らしていくことを常に考えることの重要性に気づくとともに、それらを人に説明する機会が多かったため、人にどのように説明すればわかりやすいかを常に考えることができるようになったと感じています。建設業は、どの業務も認識力不足やコミュニケーション不足が施工不良や事故につながってしまうので、物事を正しくとらえる認識力や人とのコミュニケーションが重要です。そのため、学生時代の研究室生活で培った経験が現在の仕事に活かされていると思います。
    最後に、鹿大は土地柄も相まって、縦横のつながりが強くなりやすく、切磋琢磨できる同期や面倒見の良い先輩・OB・OGが多いので、研究や進路など様々なことを相談しやすい環境にあると感じています。私は、大学に在籍していた時はもちろんのこと就職した今でも、様々なところで同期の仲間や先輩方に、相談に乗っていただいています。自分が困ったときや失敗したときに、自分を助けるものは人とのつながりだと思います。在校生も大学にこれから入学する人も人とのつながりができた際には、その人とのつながりを大切に学生生活を過ごしてほしいと思います。

  • 建築学生になる
    きっかけ

    比嘉 秋野 沖縄県出身 2019年3月卒業

    私は大学入学までに建築は学んだ事なく、周りに建築に関わっている人もおらず、建築が好き!!とそんな気持ちで入学した人ではありません。お散歩しながら街並みを見るのが好き、SNSで回ってくる建築物の画像を見るのが好き、ただそれだけの理由で建築学科に入学しました。建築学科は大学までに建築を勉強している学生はなかなかおらず、ほとんどが初めて建築について学びます。そのため、たくさんの専門分野を勉強し、それと並行して設計を行う建築学生としての生活は、新鮮なものばかりでとても充実しています。特に設計は自由に自分のしたい物を表現でき、とても楽しいです。設計は正解がないため、人それぞれで考えが異なります。先生方や先輩方、そして同期からご意見を頂いたり、仲間と各自のアイディアについて話し合ったりなど、とても勉強になります。また、自分と異なる考えに出会ったり新しい発見に出会う瞬間がワクワクします。専門分野に関してはもちろん、自分の考えを表現する力をとても学べていると感じます。そして、今は内装や家具にも興味があり、とても視野を広げることができました。このように、ちょっとした理由で建築学科に入学した私でも、楽しく充実した学生生活が送れています。建築物は日常に溢れているものの一つです。気づけば建築物に目がいってる、街並みを見て回るのが好きだ、そんな瞬間やちょっとした興味はありませんか。もし当てはまる人はぜひ建築学科を目指してみて下さい。

  • 研究生活について

    有馬 真輝 香川県 2019年3月卒業

    建築学科は意匠・環境・構造分野から成り立っており、1年生から3年生まではこの3分野について幅広く学んでいきます。4年生から自分が興味を持った分野の研究室を選択し研究生活が始まります。
    私は2年から3年次にある「建築設計Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ」の授業を通して自らが設計した建物構造がどのようになるのか、さらには構造的に安定する建築形態とはどのようなものなのか、学んでみたいと思い、4年次の研究室選択では構造系に進むことを決めました。
    研究ではコンピュータの利用を通して形態の創生を行うため、基礎的な解析プログラムや最適化アルゴリズムプログラムを作成することから勉強が始まりました。これまで学んできたことより専門的な内容となり、理解は大変ですが研究室には先輩方も多く在籍しており、わからないことは先輩方が親身になって教えてくれるので心強いです。
    研究生活として3年次までとは違う点では、コアタイムという研究室に在室する時間帯があることです。研究の時間が決められ、研究とアルバイトや趣味などを両立できるようになったと思います。他にも研究室で定期的にイベントがあるので、研究の励みになります。研究生活は始まったばかりで、私は大学院進学も決定しているのでまだ先は長いですがまずは卒業研究で成果が出せるように精一杯頑張りたいと思います。 また、鹿児島大学建築学科は学科棟が与えられており、他学科がおらず建築の先生や先輩が近くにいるので、質問があれば分野を問わず聞くにいくことができます。そういった面でも学習の環境は整っていると思います。私もそうでしたが、ものづくりが好きだったり、建物や街並みをみることが好きだったり、建築に興味ある人はぜひ建築学科を目指してみてください。きっとやりたいことが見つかると思います。

  • 大切に使い続けて
    もらう建築

    遠矢 将 宮崎県 2016年3月修了

    鹿児島大学の皆様、こんにちは。
    私は、東京のNAP建築設計事務所という建築設計を専門とする会社に勤めています。ここでは、代表である建築家の中村拓志氏と共にさまざまプロジェクトに取り組んでいます。事務所の特徴として、“ふるまい”をキーワードに、人の動きや感じ方を意識した細やかな設計が行われていることが上げられます。それは、建物の寸法や、光りの入りかた、素材をどうするかなど、あらゆる要素を追求することで実現しています。私が進路として、この場所を選択したのは、“ふるまい”の設計手法を学ぶことが、“大切に使い続けてもらう建築”を設計するために必要であると考えたからです。
    学部生の頃は、誰も見たことのない建物をつくりたいと考えていました。そのため、特に設計演習の授業に力を入れて取り組み、自分のアイディアが人から興味や関心を示してもらえるととても嬉しかったことを憶えています。
    学部4年から大学院では当時新設された鯵坂研究室に入りました。研究室では、主なテーマとして近現代の建物・建築家に着目したものが多く扱われています。研究以外に、プロジェクトやワークショップ、建物の調査活動なども参加しました。特に、建築家 坂倉準三の展覧会活動や、東京駅百周年記念展覧会での模型製作など、大規模なプロジェクトに参加し、貴重な経験を積むことができました。こういった研究や活動を通して、既存の建物とその背景にある歴史や文化について、何度も考える機会を得ました。
    現在の日本では老朽化した建物が使われ続けることは少なく、頻繁に建て替えが行われています。しかし、建物はただ機能的役割を果たすためそこにあるのではなく、地域の風景としてそこで過ごす人々の思い出の一部であり、同時に歴史をかたどる文化的価値を持った存在です。私は学生生活を通して、“使われ続ける建築の意義”を学び、ただ新しいものをつくりたいという考えから“大切に使い続けてもらう建築”をつくりたいという思いを抱きました。そして、卒業後、今の事務所へ入社することを決めました。
    設計には答えはありません。答えない仕事を進めるには自分で決断する瞬間があり、そのために思想や信念が必要となります。私は鹿児島大学での生活を通して、その礎となる経験を積むことができたのだと思います。
    在学中の皆様も学生生活の中で、自分の信じる道はなにか、夢は、目標はなにか、一度考えてみて下さい。